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Windows Embedded Compact 2013におけるアプリケーション開発

2016年3月10日木曜日
Windows

WindowsWindows Embedded Compact 2013 は、Microsoft Embedded Compactファミリーの最新製品リリースです。2013年に発売され、サポートは2023年までとなっており、同時に製品終了の予定です。

WEC2013は、Windows Embedded Compact 7.0やWindows Embedded CE 6.0に比べ、新機能が多く追加されました。このバージョンにおける主な変更点は、VS2012、VS2013やVS2015(現在ネイティブコードにのみ対応)を開発環境として使用できることです。これにより開発者は新しくアップデートされたIDEを使用できるため、これが最も優れた更新点ではないかと考えられます。WEC2013に追加された新機能には以下が含まれます。

  • マルチコアプロセッサに対応する.NET Compact Framework 3.9
  • Visual Studio 2012/2013/2015との統合
  • ファイルシステムのパフォーマンス改善
  • C ++ 11に対応する新しいコンパイラ(これが、バージョン6と7がVS2008に限定されていた主な理由です。)
  • さらに詳しい情報はMSDNで

新しいWindows Embedded Compact 2013を使う主な利点は、.NET Compact 3.9があることです。このブログ投稿でも .NET Compact 3.9を検証します。引用されているブログ投稿では、以前のバージョンと比べた改善点がいくつか紹介されています。マルチコアのサポートもその一つです。

この検証を再現するには何が必要なのでしょうか。まずVisual Studio 2013をコンピュータにインストールする必要があります。(Microsoftが https://www.visualstudio.com/downloads/ で提供しています。)また、Application Builderというアドオンも必要です。これは、このリンクにてMicrosoftが無償で提供しています。Application Builderをインストールすると、Visual Studioでスマートデバイス用のプログラミングオプションが利用できます。次の手順は、Embedded board SDKのインストールになります。これは、自分のOSをビルドした際に自分で作成したか、ハードウェア製造者が提供するものです。今回は、Colibri iMX6DL、512MB(ToradexがポートしたNXP®/Freescale iMX6DL - Arm CortexTM-A9とWindows Embedded Compact 2013)を使用します。このToradex CoMでは、WEC2013ライセンスとOS(本番環境グレード)イメージがハードウェアの価格に含まれています。(ウェブショップでご覧ください。)Toradexモジュール用OSイメージは、デベロッパーウェブサイトでダウンロード可能です。Toradexはまた、Toradex OSイメージ用WEC2013 SDK、ファイルおよびインストール方法の説明もご提供しており、このリンクからご利用頂けます。

すべてのインストールが終了すると、新規プロジェクトメニューの下にWindows Embedded Compactのオプションが表示されます。(画像1をご覧ください。)

New Project Configuration
画像1:新規プロジェクトの設定


Visual Studioの通常のインターフェイスで、Visual C#を使用し新規アプリケーションを作成するため新しいプロジェクトを開始しました。新しいプロジェクトのメニューでは下記へと移動します。
Visual C# > Windows Embedded Compact > Toradex 800> Device Application

このオプションを選択すると、通常のVisual Studio 2013インターフェイスでプロジェクトが画面に表示されます。このインターフェイスには画面のオブジェクトをドラッグするツールボックス、オブジェクトプロパティメニューおよびその他のVisual Studioツールがあります。(画像2を参照してください。)

Application Development in Visual C #
画像2:Visual C #のアプリケーション開発


ここでは、Form1にPanelコンポーネントをいくつかドラッグ&ドロップし、Backcolorプロパティを異なる色に変更しました。(画像2の赤い矢印を見てください。)各パネルにはそれぞれClickメソッドを作成し、Formのbackgroundプロパティをpanelのbackgroundプロパティへと同じに設定するコードにします。これはPanel_Clickメソッドで行います。下の画像3のコードをご覧ください。/p>

Small piece of code to change the form backcolor property
画像3:Formのbackcolorプロパティを変更する小さなコード


デバッグのプロセスを開始するには、Windows Embedded Compactのデバッガをクリックするだけです。(そう、あの有名な再生ボタンです!)この時点で、WinCE7と2013との大きな違いが表れるかもしれません。注目すべき相違点は、USBインターフェイスではデバッグできず、ネットワーク接続でのみデバッグが可能なことです。

下の動画では、筆者の開発用ホストのVisual Studio 2013にて、ディスプレイ上で実行した検証、デバッグの様子を確認いただけます。動画では、もう一つ便利な点をお見せしています。Colibri iMX6DLからColibri VF61へと差し替えているのです。この双方のモジュールは同じColibriのピン互換モジュールファミリーなのですが、最初のモジュールにはデュアルコアのArm-A9が、他方のモジュールにはArm-A5が搭載されています。新しいモジュールでWEC2013をいったん開始すると、搭載されたコアが異なっても、もう一度再生を押すだけで新しいモジュールと新しいプロセッサ上でアプリケーションが再度動作します。

動画:デバッグプロセス

Toradexのソリューションは完全にスケーラブルです。Toradexが既に相違点の処理を行っており、このため、開発者は製品・アプリケーションの開発作業に集中することができます。これは、市場に向けて新しいソリューションを開発する際、市場から販売までにかかる時間、費用の最適化、リスク管理において大きな利益となります。

リファレンス:
記者: Guilherme Fernandes, CEO, Toradex Brasil

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